<h2中継が、ない
この日、私は自宅でお留守番でした。
そして天皇杯の2回戦というのは、テレビ中継もネット配信もない試合が多いんですよね。この磐田×宮崎も、映像で追う手立てがありませんでした。
だからこの日の私にとって、試合はすべて「文字」でした。
ネットの速報を更新しては、スコアが動いていないことを確認する。それと、現地に行っている関ジュビ(関西ジュビリスト)のメンバーから届く速報。この2つだけが、ヤマハとつながる糸でした。
スタメンも、文字で知りました。GKは川島永嗣。前線にはマテウス・ペイショットと、徳島戦で決勝弾を決めた太田龍之介。「おっ」と声が出ました。いける、と思ったんです。
3年連続、ヤマハでの初戦敗退
この結果、どうしても書いておかなければいけないことがあります。
ジュビロ磐田は、3年連続で天皇杯の初戦(2回戦)敗退。しかも3年とも、ヤマハスタジアムでの試合です。
| 年 | 結果 | 入場者数 | 2024年(第104回) | 磐田 1-2 テゲバジャーロ宮崎 | 3,519人 | 2025年(第105回) | 磐田 1-2 SC相模原 | 3,569人 | 2026年(第106回) | 磐田 0-1 テゲバジャーロ宮崎(延長) | 3,846人 |
そして今年の相手は、一昨年と同じテゲバジャーロ宮崎。同じ大会の、同じ2回戦で、同じヤマハスタジアムで、2年ぶりに同じ相手にやられた——という構図です。
2024年6月12日のあの試合も、磐田が61分にブルーノ・ジョゼのゴールで先制しながら、77分に阿野真拓、90+4分に井上怜のPKで逆転されての1-2。あのときの記憶が、まだ生々しいところにこれです。
宮崎との通算対戦成績は、これで0勝2敗。2試合とも天皇杯で、2試合ともヤマハでの敗戦になりました。
スタメン|川島永嗣がゴールマウスに立った
この日の磐田は、リーグ戦とは顔ぶれを大きく変えてきました。
GKは川島永嗣。最終ラインに松原后、山﨑浩介、川﨑一輝。中盤は上原力也、為田大貴、井上潮音、角昂志郎。前線はキャプテンマークを巻いたマテウス・ペイショット、野澤零温、そして徳島戦で決勝弾を決めた太田龍之介という並びでした。
対する宮崎は3-4-2-1気味の布陣。GK松山健太、最終ラインに黒木謙吾(キャプテン)、安部崇士、堤奏一郎、田中誠太郎。中盤に家坂葉光、山内陸、坂井駿也、井上怜。前線は松本ケン チザンガと橋本啓吾でした。
この井上怜こそ、2年前のヤマハで90+4分の決勝PKを決めた張本人です。
開始5分の、想定外
試合は思わぬ形で動き始めます。
開始からわずか5分。宮崎のFW松本ケン チザンガが接触プレーで倒れ、脳振盪の疑いによる交代で佐藤遼と交代となりました(JFAの公式記録にも明記されています)。
相手にとっては完全な想定外だったはずです。ところが——この日チーム最多となる5本のシュートを放ったのが、その佐藤遼でした。
サッカーは、こういうことが起こるから怖いです。
決めきれなかった90分
前半、そして後半。磐田はボールを持ちながら、最後の一枚を割ることができませんでした。
秋葉監督は次々と手を打ちます。ハーフタイムに野澤零温を下げて佐藤大樹。68分に為田大貴→増田大空。77分にはマテウス・ペイショット→ジョアン・ヴィクトル、太田龍之介→乾貴士という2枚替え。87分に井上潮音→金子大毅、88分に川﨑一輝→西久保駿介。
乾貴士まで投入して、交代枠を使い切っての総力戦でした。それでもゴールは遠かった。
一方の宮崎も、ハーフタイムに橋本啓吾を下げて土信田悠生、69分に渡邉英祐、84分に阿野真拓と村越凱光を投入と、こちらも次々にカードを切っていきます。
画面の中のスコアは、0-0のまま動きません。
「残業」
そして、現地の仲間からLINEが届きました。
「残業」
二文字だけ。
サポーターの間では、延長戦のことをこう呼んだりします。つまりこの二文字で、90分では決着がつかなかったことを理解したわけです。
正直に言えば、90分ですっきり勝ってほしかった。週末にはリーグ戦の栃木シティ戦が控えています。延長30分は、この時期の身体には確実に効いてきます。
うまく言えないのですが、この「残業」の二文字を見たとき、少なくとも嬉しくはないし絶望でもない、なんとも宙ぶらりんな気持ちになりました。まだ負けていない。でも、勝ってもいない。
あとはもう、待つしかありません。
そして110分
延長後半5分、110分でした。
宮崎の右コーナーキック。100分から入っていた奥村晃司が蹴ったボールを中央で村越凱光がそらし、そこに詰めていたのが土信田悠生。ワンタッチで左足を合わせ、ボールはゴールへ吸い込まれました。
0-1。
ハーフタイムから入った選手が、延長で決める。しかも起点は100分に入ったばかりの選手。宮崎の交代が、ことごとくハマった格好です。
残り時間で磐田も反撃に出て、決定的なシュートがポストを叩く場面もあったといいます。しかし、届きませんでした。
ジュビロ磐田 0–1 テゲバジャーロ宮崎
——この一連を、私は文字で知りました。
結果を知ったときの落胆は、言葉では言い表せません。
スタジアムにいれば、少なくとも自分の目でその瞬間を見届けられます。映像があれば、何が起きたのかを追える。でもこの日は、ただ「0-1」という数字だけが、画面の上にありました。
ゴールの歓声も、スタンドのため息も、私には届きませんでした。それでも、いや、だからこそ、ショックは大きかったです。
スタッツで見ると
| 項目 | 磐田 | 宮崎 | シュート | 16 | 21 | コーナーキック | 8 | 9 | 直接フリーキック | 22 | 9 | 警告 | 0 | 1 | 退場 | 0 | 0 |
シュート数は16対21で下回りました。とくに後半、宮崎に押し込まれた時間帯があったことが数字にも表れています。カテゴリーは同じJ2とはいえ、ホームで、これは正直こたえます。
入場者数は3,846人。晴れ、気温26.7℃、湿度90%という蒸し暑い夜でした(主審は本多文哉さん)。宮崎からも約100人のサポーターが駆けつけていたそうです。
宮崎にとっては、今季初勝利だった
ここは、きちんと書いておきたいところです。
テゲバジャーロ宮崎は、今季クラブ史上初めてJ2に昇格したチームです。2025年のJ3を4位で終え、昇格プレーオフで鹿児島に2-0、FC大阪に4-0と勝ち上がっての昇格でした。
J2に上がってからのリーグ戦は0勝2分1敗。横浜FCに0-1、甲府と1-1、湘南と0-0という戦いぶりで、まだ勝利がありませんでした。
つまりこの試合は、宮崎にとって今季の公式戦初勝利。大熊裕司監督は「難しい試合でしたけれども勝つことができて、非常にうれしく思っています。本当にハードワークを最後まで続けた選手たちに感謝したい」とコメントしています。
決勝点の土信田悠生は「自分は触るだけだったので、折り返してくれた選手に感謝したい」と。CBの安部崇士は「ペイショット選手と太田選手は高さがあって収める技術も高かったですけど、ボックス内では仕事を何もさせなかった」と振り返っています。
相手には相手の物語があって、この日はそれが上回った。悔しいですが、そういう試合でした。
切り替えるしかない。次は栃木シティ戦
正直、しばらく引きずりそうです。
ただ、幸か不幸か、次の試合はすぐにやってきます。
- 8月29日(土)18:00 J2第4節 栃木シティ vs ジュビロ磐田(CITY FOOTBALL STATION)
リーグ戦の磐田は1勝1分1敗の勝点4で12位。徳島戦で今季初勝利を挙げたばかりで、流れを掴みかけていたところでした。
天皇杯が8月に終わってしまった以上、これからはリーグ戦に集中できる、と前を向くしかありません。3年連続の初戦敗退という数字は重たいですが、それを変えられるのは来年の自分たちだけです。
今日は、ゆっくり寝ましょう。
我らがジュビロ、土曜日は栃木で。切り替えていきましょう!
この日の記録
| 項目 | 内容 | 大会 | 天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会 2回戦 | 日時 | 2026年8月26日(水)19:00キックオフ | 会場 | ヤマハスタジアム(磐田) | 結果 | ジュビロ磐田 0-1 テゲバジャーロ宮崎(延長) | 得点 | 110分 土信田悠生(宮崎) | 入場者数 | 3,846人 | 天候 | 晴、気温26.7℃、湿度90% | 主審 | 本多文哉 |


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